授業|必修03
ダブルスの途中で、4人全員が同じ疑問を抱くことがあります。
「次、誰がどこからサーブでしたっけ?」
誰も答えず、なぜか全員がパートナーを見る。先生も見られます。そして手を挙げた人がサーブを打つ。まるでダチョウ倶楽部、というわけにはいきません。
サーブ順は、人物名を丸暗記するより、得点・左右・第1/第2サーバーの3つに分けると理解できます。
最初に覚える流れ
サーブ側が得点したら、同じサーバーが左右を移って続けます。第1サーバーがラリーを失ったら第2サーバーへ。第2サーバーも失ったら相手チームへサイドアウトです。
サーブ順の基本フロー

- 第1サーバーが右側からサーブ
- 得点したら左右を移り、同じ人が続ける
- ラリーを失ったら第2サーバーへ替わる
- 第2サーバーも失ったらサイドアウト
- 相手チームの正しい右側選手が第1サーバーになる
これは一般的なサイドアウト方式のダブルスです。大会やイベントで別の得点方式が指定されている場合は、その要項を優先してください。
得点したら動くのはサーブ側
サーブ側がラリーに勝つと1点入り、サーバーとパートナーが左右を入れ替えます。同じサーバーが反対側から続けてサーブします。
| ラリー結果 | サーブ側 | レシーブ側 |
|---|---|---|
| サーブ側が勝つ | 1点獲得。2人が左右交代 | 左右を替えない |
| レシーブ側が勝つ | 得点なし。次のサーバーかサイドアウト | 得点なし。左右を替えない |
レシーブ側は、ラリーに勝っても得点しないため、左右を入れ替えません。動くのは、サーブ側が得点したときです。
初心者の大移動に注意
ラリーが終わるたび4人全員で左右を替える必要はありません。それをするとローテーションではなく、学期始まりの席替えです。
右から?左から?偶数・奇数の基準
位置を確認する基準になるのは、ゲーム開始時にそのチームで最初にサーブした選手です。
| 自チームの得点 | ゲーム開始時のサーバーの正しい位置 |
|---|---|
| 偶数:0・2・4・6… | 右側(偶数コート) |
| 奇数:1・3・5・7… | 左側(奇数コート) |
その選手の位置が分かれば、パートナーの位置も決まります。
- 開始時サーバーが右なら、パートナーは左
- 開始時サーバーが左なら、パートナーは右
「偶数なら右」だけを覚えると不十分です。誰が右なのかまで含めて、「開始時サーバーは偶数なら右」と覚えましょう。
第1・第2サーバーは固定番号ではない
第1サーバーと第2サーバーは、選手の固定された肩書きではありません。そのチームが今回サービス権を持っている間だけの順番です。
- サイドアウト後、正しい右側から最初に打つ人が第1サーバー
- そのパートナーが第2サーバー
- 次にサービス権が戻ったときは、得点と位置によって順番が逆になる場合がある
たとえば、前回はあなたが第1サーバーでも、次回はパートナーが正しい右側にいれば、パートナーが第1サーバーです。「前も私が1番だった」は証拠になりません。先生が昔テストで1番を取ったことがある、というくらい証拠になりません。
ゲーム開始だけは0-0-2の特例
通常は2人にサーブ機会がありますが、ゲーム開始チームだけは、最初のサービス権で一人しかサーブできません。
- 右側の選手が「0-0-2」で開始
- 得点すれば左右を移り、同じ人が続ける
- ラリーを失ったらパートナーへ替わらず、相手へサイドアウト
先攻チームの有利を抑えるため、開始選手を得点上「第2サーバー」と扱います。0-0-2はこのゲーム開始時だけです。
1回のサービス権を追ってみよう
Aチームがサービス権を得た場面を例にします。Aの得点は2点、Bは1点です。
| コール | 起きたこと | 次の動き |
|---|---|---|
| 2-1-1 | Aの第1サーバーが右からサーブ | Aが得点 |
| 3-1-1 | 同じ人が左へ移ってサーブ | Aがラリーを失う |
| 3-1-2 | Aのパートナーが正しい位置からサーブ | Aが得点 |
| 4-1-2 | 同じ第2サーバーが左右を移って続ける | Aがラリーを失う |
| 1-4-1 | Bへサイドアウト。Bの正しい右側選手が第1サーバー | コールはB側から読む |
第1から第2へ替わるとき、得点は増えません。サーバー番号だけが「1」から「2」へ変わります。
パートナーと左右を替えるタイミング
| 場面 | 左右を替える? |
|---|---|
| サーブ側が得点 | 替える |
| 第1サーバーがラリーを失い、第2サーバーへ | 替えない |
| 第2サーバーが失い、相手へサイドアウト | 失った側は替えない |
| レシーブ側がラリーに勝つ | レシーブ側は替えない |
第1から第2へ替わるときは、人だけが替わり、2人の立ち位置はそのままです。第2サーバーは、自分が立っている側の正しいサービス位置から打ちます。
サーブとレシーブをする選手
サーブは対角線へ打つため、正しい対角線側にいる選手がレシーブします。
- 右側からサーブ → 相手の右側サービスコートへ対角線に入る
- 左側からサーブ → 相手の左側サービスコートへ対角線に入る
- パートナーが代わりにレシーブしない
ラリーが始まった後は、プレーヤーは自由に動けます。ただし次のサーブ開始時には、正しいサーバー・レシーバー・位置へ戻ります。
位置が分からなくなったときの復元法
初心者同士の試合では、分からなくなって当然です。次の順番で戻します。
- 両チームの得点を確認する
- 現在どちらがサーブ側か確認する
- 各チームのゲーム開始時サーバーを思い出す
- 偶数なら開始時サーバーを右、奇数なら左へ置く
- 現在が第1か第2サーバーか確認する
覚え方
得点 → 開始時サーバーの左右 → 現在のサーバー番号。この順番で確認します。4人が同時にガスバーナーに火をつけるより、ずっと早く次に進めます。
最初のサーバーが思い出せない場合
レクリエーションでは、分かる範囲で全員の記憶を確認し、合意して再開しましょう。次のゲームから、各チームの開始時サーバーを決めた直後に「私が右から開始」と声に出すと迷いにくくなります。
審判付きの試合では、自分で位置を変える前に審判へ確認してください。大会要項と審判の指示を優先します。
スタッキングを見たときは驚かなくてよい
経験者の試合では、得意な左右を保つために「スタッキング」と呼ばれる配置を使うことがあります。サーブまたはレシーブ時の正しい選手・位置を守り、ラリー開始後に移動する戦術です。
この記事は初心者向けの標準的な並び方を解説しています。初試合では、まず通常の位置関係を覚えましょう。基本を知らずにスタッキングへ進むと、整理整頓を習う前に引っ越しを始めるようなものです。
シングルスはもっと単純
シングルスにはパートナーも第2サーバーもいません。
- 自分の得点が偶数なら右からサーブ
- 奇数なら左からサーブ
- ラリーを失うと相手へサイドアウト
初心者がよくする7つの間違い
- ラリーが終わるたび、4人全員が左右を替える
- 第1サーバーが失敗したときに左右を替える
- 第1・第2サーバーを選手の固定番号だと思う
- 得点後、別の人がサーブする
- レシーブ側もラリーに勝つと左右を替える
- ゲーム開始以外でも0-0-2の考え方を使う
- 「偶数なら誰でも右」と覚える
30秒小テスト
Q1. 第1サーバーが得点。次は誰がどこから打つ?
A. 同じサーバーが左右を移って続けます。
Q2. 第1サーバーがラリーを失った。2人は左右を替える?
A. 替えません。パートナーが第2サーバーとして正しい位置から打ちます。
Q3. 第2サーバーも失ったら?
A. 相手チームへサイドアウトです。
Q4. 開始時サーバーは、自チーム4点ならどちら?
A. 偶数なので右側です。
得点したら左右、失ったら次の人。まずはこの一文をコートへ持っていきましょう。迷ったらプレーを止めて確認すれば大丈夫です。分からないまま堂々と間違えるより、確認できる人のほうが立派です。先生も職員会議ではそうしています。
前後の授業
参考にした公式情報
- 一般財団法人ピックルボール日本連盟:ピックルボールの基本ルール
- USA Pickleball:Scoring & Positioning – Side Out Scoring
- USA Pickleball:Official Rules
※本記事は一般的なダブルスのサイドアウト方式を中心にした初心者向け解説です。ラリースコア、スタッキング、審判付き試合などでは扱いが異なる場合があります。大会・イベントでは、最新の大会要項、指定ルールブック、審判の指示を優先してください。


