ダブルスを組む基本は「上手い人が二人」ではなく、「一枚の壁になれる二人」が強い競技です。
犬と猿が組んだら面白いですが、きっとチームワークはバラバラになるでしょう二人で同じ意図を持ち、同じ高みまで目指す。それが戦術の出発点です。
今日の結論
深く返す、二人で前へ進む、キッチンラインをそろえる、中央を使う、短い言葉で確認する。この5原則がダブルスの土台です。

ダブルス戦術の5原則
- サーブとリターンは深く:相手を後方へ残す
- リターン側は先に前へ:返した人もキッチンラインへ進む
- サーブ側は3球目で前進権を作る:ドロップかドライブを状況で選ぶ
- 二人の前後差を小さく:斜めの隙間を作らない
- 中央を賢く使う:相手の角度を減らし、迷いを生む
ラリー開始からの役割
| 局面 | サーブ側 | リターン側 |
|---|---|---|
| 1球目 | 深く安全にサーブ | 返球に備える |
| 2球目 | バウンドを待つ | 深く返して前進 |
| 3球目 | ドロップ/ドライブを選択 | 低く構えて前を守る |
| 移行 | 球質に合わせ二人で前進 | 足元と中央を狙う |
| 4人が前 | 低く、中央を閉じ、攻撃できる高さを待つ | |
強い形は「横並びの壁」
二人の間隔は広げすぎず、相手の打球方向に合わせて一緒に左右へ動きます。一人が中央へ寄れば、もう一人も同じ方向へ。ゴムひもで結ばれている感覚です。実際に結ぶのは危険です。先生でも止めます。
攻める球と耐える球を分ける
| 相手球 | 基本判断 | 狙い |
|---|---|---|
| ネットより低い | ディンク/リセット | 攻撃されない高さ |
| ネット付近 | 安全な足元か中央 | 次の球を待つ |
| 明確に高い | 前方へ攻撃 | 角度より足元と空間 |
よくある敗因
- 一人だけ先に走り、前後に分断される
- 難しいサイドラインを狙い、無料で失点する
- 低い球を無理に強打する
- ミスの後に長い反省会を始める
- 「真ん中お願い」を打球後に言う
15分の戦術練習
- 5分:二人で左右へ同時に動くシャドー
- 5分:サーブ、深いリターン、3球目まで固定
- 5分:「前」「待つ」「任せた」の声を入れた条件付きゲーム
戦術は派手な必殺技ではなく、二人の普通をそろえること。
まず5原則を共通語にし、各戦術授業で一つずつ磨きましょう。
よくある失敗:二人の距離が開いたまま戦う
前に出た人と、後ろに残った人。この形が一番点を失います。相手から見ると、二人の間に大きな空白があり、そこへ落とすだけで得点になるからです。自分は正しい位置にいるつもりでも、相方が動いていなければ壁になりません。ダブルスの立ち位置は「自分の場所」ではなく「二人で作る形」で決まります。パートナーが前に出たら自分も出る、下がったら自分も下がる。この連動だけで、失点の多くは減ります。
試合前に二人で決めておく4つ
- サーブ側は、3球目をドロップにするかドライブにするかの基準を決める
- 中央へ来た球を、どちらが取るかを決める(フォア側が基本)
- 前に出るきっかけを決める(「深く返せたら出る」など、条件で決める)
- 苦しいときに戻る場所を決める(二人ともキッチンラインまで下がる、など)
一人でもできる練習
相方がいなくても、立ち位置の感覚は作れます。コートに入れなくても構いません。
- 床にテープや目印を2つ置き、キッチンラインの位置とサービスラインの位置を体に覚えさせる
- 「相手が打つ瞬間に止まる」を、素振りだけで10回繰り返す
- 前進と後退を5往復して、止まった位置が毎回同じかを確認する
この戦術学科の授業
この戦術を試すための道具
- パドルの選び方大全|二人の役割が決まると、必要なパドルの性格も決まります
- パドルの厚さ13/14/16mm|前で止めるなら16mm、後ろから打つなら13〜14mm
練習・試合中のケガ予防については保健室の記事も参考にしてください。
前後の授業
参考にした公式情報
戦術は相手、レベル、身体状況に合わせて調整してください。


