ピックルボールのキッチンルール完全解説|入れる場面と反則

教科書(ルール)

ピックルボールの初心者が最も誤解しやすい校則。それがキッチンです。

「キッチンには入ってはいけない」と覚えていませんか。

その覚え方は、半分正解で半分不正解です。正確には、キッチンに触れた状態でボレーしてはいけない。ボールがバウンドした後なら、中へ入って打って構いません。

最初に結論
キッチンは立入禁止区域ではなく、ボレー禁止区域です。バウンド後なら中で打てます。ボレーするときは、身体・パドル・衣服・勢いのすべてをキッチン外へ置きます。

  1. キッチンとはどこ?
  2. 判定の基本は3つだけ
  3. ボレーとグラウンドストロークの違い
  4. キッチンへ入ってよい場面
    1. 1. ボールがバウンドした後に打つ
    2. 2. ボールを打たずに中へ入る
    3. 3. パートナーが中にいる状態で自分が外からボレーする
    4. 4. キッチン上の空間へパドルを伸ばす
  5. 反則になる代表的な場面
    1. 1. キッチン内からボレーする
    2. 2. キッチンラインを踏んでボレーする
    3. 3. 外からボレーし、勢いで中へ入る
    4. 4. ラリー終了後に勢いで入る
    5. 5. パドル・帽子・衣服などが触れる
    6. 6. キッチン内のパートナーへ触れる
    7. 7. キッチンから跳び、外へ着地する前にボレーする
  6. OK・NG早見表
  7. 「勢い」はいつ終わる?
  8. キッチンから出た後の「両足再接地」
  9. サーブとキッチンライン
  10. ツーバウンドルールとの違い
  11. キッチンラインに立つ理由
  12. ディンクでは中へ入ることもある
  13. 初心者向け練習方法
    1. OK・NG読み上げ練習
    2. 外・外・ボレー練習
    3. 勢いを止める練習
  14. よくある質問
    1. キッチン内へ入っただけで反則ですか?
    2. キッチン内でボールがバウンドしたら打てますか?
    3. パドルがライン上空へ出たら反則ですか?
    4. 外でボレーした後、相手がミスしてから中へ入っても反則ですか?
    5. 片足だけ外へ出せばボレーできますか?
    6. パートナーがキッチン内にいても、自分はボレーできますか?
  15. 30秒小テスト
  16. 前後の授業
  17. 参考にした公式情報

キッチンとはどこ?

正式名称はノンボレーゾーン(Non-Volley Zone/NVZ)です。ネットから両側へ7フィート、約2.1mの範囲で、横幅はコート全幅の20フィート、約6.1mです。

  • ネットからノンボレーゾーンラインまで:約2.1m
  • 左右のサイドライン間:約6.1m
  • ノンボレーゾーンラインもキッチンの一部
  • 左右のサイドラインも境界を構成する

「キッチン」は通称です。冷蔵庫も流し台もありません。あったらプレーに支障が出ます。ちなみに由来は「ピックル(犬)はキッチン(台所)に入ってはいけない」という、なんともアメリカっぽい文化から来ているそうです。あまりピンと来ませんね笑

判定の基本は3つだけ

ピックルボールのキッチンでできることと反則になること
バウンド後は中で打てる。ボレーは身体・物・勢いまで外へ。
  1. その打球はボレーか
  2. 選手や身につけた物がキッチンへ触れたか
  3. ボレーの勢いが終わる前に触れたか

ボレーでなければ、キッチン内で打つこと自体は問題ありません。ボレーなら、接触と勢いを確認します。

ボレーとグラウンドストロークの違い

打ち方 意味 キッチン内
ボレー ボールが地面へバウンドする前に打つ 禁止
グラウンドストローク ボールが一度バウンドした後に打つ 可能

スマッシュだけがボレーではありません。柔らかいボールを空中で軽く返す「ボレーディンク」も、バウンド前ならボレーです。打球の強さではなく、バウンド前か後かで判断します。

キッチンへ入ってよい場面

1. ボールがバウンドした後に打つ

キッチン内へ落ちたディンクを、バウンド後に中へ入って返すのはOKです。打った後も、すぐ外へ出なければ反則ということはありません。

2. ボールを打たずに中へ入る

ラリー中に立っているだけなら、キッチンへ入れます。ただし、そこにいる状態で次の球をボレーしてはいけません。

3. パートナーが中にいる状態で自分が外からボレーする

パートナーがキッチン内にいるだけで、あなたのボレーが自動的に反則になるわけではありません。ただし、ボレー動作中にそのパートナーへ触れ、パートナーがキッチンに接触している場合は反則になり得ます。

4. キッチン上の空間へパドルを伸ばす

キッチンは床面上の区域です。両足を外へ置いたまま、パドルや腕をラインの上空へ伸ばしてボレーすることはできます。ただし、パドルや身体が床のキッチンへ触れないようにします。

入ってよい=入ったままボレーしてよい、ではありません
バウンド球を打った後、次の球をボレーしたいなら、先に両足を完全にキッチン外へ接地させ直します。

反則になる代表的な場面

1. キッチン内からボレーする

足がキッチン内にある状態で、バウンド前のボールを打つとフォルトです。

2. キッチンラインを踏んでボレーする

ノンボレーゾーンラインはキッチンの一部です。つま先の一部でもラインへ触れた状態でボレーすればフォルトです。

3. 外からボレーし、勢いで中へ入る

打った瞬間に両足が外でも、フォロースルーや身体の勢いでキッチンへ触れるとフォルトです。

4. ラリー終了後に勢いで入る

相手が返球をミスし、ボールがデッドになった後でも、直前のボレーの勢いでキッチンへ入ればフォルトです。先にポイントが決まったように見えても、勢いの判定は続きます。

5. パドル・帽子・衣服などが触れる

ボレー動作やその勢いによって、持っているパドル、着用している帽子、衣服、サングラスなどがキッチンへ触れればフォルトです。

6. キッチン内のパートナーへ触れる

あなたが外からボレーしても、ボレー動作中にキッチン内のパートナーへ触れれば、キッチンへ間接的に接触した扱いになる場合があります。

7. キッチンから跳び、外へ着地する前にボレーする

直前にキッチンへ触れていた選手は、ボレー前に両足を完全に外へ接地させ直す必要があります。中からジャンプし、空中でボレーして外へ着地しても、接地の順番が逆なのでフォルトです。

OK・NG早見表

場面 判定 理由
キッチン内でバウンド後に返球 OK ボレーではない
キッチン内に立って球を見送る OK ボレーしていない
両足を外へ置き、パドルを上空へ伸ばしてボレー OK 床面のキッチンへ触れていない
ラインを踏んでボレー NG ラインもキッチンの一部
外からボレーし、勢いで中へ着地 NG ボレーの勢いによる接触
ボレー後、相手のミスを見てから勢いで中へ NG ボールがデッドでも勢いの反則は成立
中から出て、片足だけ外へ接地してボレー NG 両足の再接地が必要
中から出て、両足を外へ接地後にボレー OK 外での接地を再確立している

「勢い」はいつ終わる?

勢いは、ボールを打った瞬間に終わるわけではありません。フォロースルーと、その動作によって身体が進み続ける部分まで含めて考えます。

初心者向けには、次の状態になるまでキッチンへ触れないと覚えましょう。

  • 身体のバランスを取り戻した
  • 前方への動きを自分で止められた
  • ボレー動作とは別の動作へ移った

境界的な場面は審判の判断になります。ギリギリで踏みとどまるより、余裕のある位置からボレーするほうが安全です。「三苫の1ミリ」は、なかなか現実には起きません。

キッチンから出た後の「両足再接地」

バウンド球を追ってキッチン内へ入った後、次の球をボレーするには、次の順番が必要です。

  1. キッチンから出る
  2. 片足を完全に外へ接地する
  3. もう片方の足も完全に外へ接地する
  4. それからボレーする

片足だけ外へ置き、もう片方が空中またはキッチン内にある状態では、再接地が完了していません。

先生の確認方法
「外・外・打つ」と足元で数えます。「外・打つ・外」は順番が違います。

サーブとキッチンライン

通常のラリーでは、ラインへ触れたボールはインです。ただしサーブには例外があります。

  • サーブがキッチン内へ落ちる:フォルト
  • サーブがキッチンラインへ触れる:短いサーブとしてフォルト
  • サーブが正しいサービスコートのセンターラインへ触れる:イン
  • サーブが正しいサービスコートのサイドラインやベースラインへ触れる:イン

キッチンラインは区域の一部なので、サーブはその線を越える必要があります。

ツーバウンドルールとの違い

ルール 何を禁止する? 適用される時間
ツーバウンドルール サーブ直後、両チームが1回ずつバウンドさせる前のボレー ラリー開始時
キッチンルール キッチンへ触れた状態でのボレー ラリー中ずっと

第4打以降でボレーできるようになっても、キッチン内からボレーできるわけではありません。

ツーバウンドルールを復習する

キッチンラインに立つ理由

キッチンは反則区域であるだけでなく、ピックルボール戦術の中心です。上級者はキッチンラインのすぐ外側へ立ちます。

  • ネットに近く、相手へ角度を付けやすい
  • 足元へ落とされる空間を減らせる
  • 短い球へ早く反応できる
  • 相手の速い打球を小さな動きで返せる

ただし、ラインぎりぎりに立つとつま先が触れやすくなります。初心者は数cmの余裕を取り、ボールを見る前に足元を安定させましょう。

キッチンラインでの構え方を学ぶ

ディンクでは中へ入ることもある

ディンクはキッチン内へ短く落とすショットです。相手のディンクがバウンドしたら、中へ踏み込んで返せます。

  1. ボールのバウンドを確認する
  2. 必要な分だけ中へ踏み込む
  3. 小さなスイングで返す
  4. 次にボレーする可能性があるなら両足を外へ戻す

毎回慌てて中へ飛び込む必要はありません。届く球は外から取り、必要なときだけ入るほうが姿勢を保ちやすくなります。

初心者向け練習方法

OK・NG読み上げ練習

2人一組で、片方が状況を読み、もう片方が判定します。

  • 「中でバウンド後に打つ」→ OK
  • 「ラインを踏んで空中の球を打つ」→ NG
  • 「外からボレー後、勢いで入る」→ NG
  • 「中から両足を外へ置き直してボレー」→ OK

外・外・ボレー練習

キッチン内でバウンド球を打った想定から、後退して両足を外へ置き直し、パートナーが手で投げた球をボレーします。速さより順番を優先します。

勢いを止める練習

キッチンラインから少し離れて立ち、柔らかいボレーを打った後、その場でバランスを保ちます。大きく踏み込まず、短いスイングで返す感覚を身につけます。

よくある質問

キッチン内へ入っただけで反則ですか?

いいえ。入ること自体は反則ではありません。中に触れた状態でボレーすることが禁止されています。

キッチン内でボールがバウンドしたら打てますか?

はい。中へ入って、バウンド後に返せます。

パドルがライン上空へ出たら反則ですか?

上空へ出ただけでは反則ではありません。ボレー動作中にパドルや身体が床面のキッチンへ触れないようにします。

外でボレーした後、相手がミスしてから中へ入っても反則ですか?

そのボレーの勢いで入った場合は反則です。ボールがデッドになった後でも同じです。

片足だけ外へ出せばボレーできますか?

直前にキッチンへ触れていた場合、両足が完全に外へ接地してからです。

パートナーがキッチン内にいても、自分はボレーできますか?

自分が外にいて、ボレー動作中にパートナーへ触れなければ可能です。

30秒小テスト

Q1. キッチンは立入禁止区域?
A. いいえ。ボレー禁止区域です。

Q2. ラインを踏んでボレーしたら?
A. フォルト。ラインもキッチンです。

Q3. 外からボレーし、相手のミス後に勢いで入ったら?
A. フォルト。ボールがデッドでも勢いの判定は続きます。

Q4. 中から出て片足だけ外へ着き、空中でボレーしたら?
A. フォルト。両足の再接地が必要です。

入れる。ただしボレーしない。まずはこれだけ覚えましょう。細かな判定で迷ったら、「バウンドしたか」「何がキッチンへ触れたか」「勢いは終わったか」の順で確認します。

名前はキッチンですが、料理の腕は問われません。問われるのは足元です。先生は料理も足元も少し怪しいので、ラインから余裕を取ります。

前後の授業

前の授業:ツーバウンドルール

次の授業:よくある反則15選

参考にした公式情報

※本記事は一般的な立位プレーを想定した初心者向け解説です。高度なプレーやアダプティブ競技には追加・特別規則が関係する場合があります。大会・イベントでは、最新の大会要項、指定ルールブック、審判の指示を優先してください。

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